アダルトサンスポ・フジ
投稿・私の性告白

悦楽のレッスン(2)

フェチになった淫靡な性体験

悦楽のレッスン(2)
イラスト・羽鳥詩亜

 《ワタシは女性の手や腕を見るだけで性的興奮を覚える、いわゆる「手、腕フェチ」です。そんなワタシの密かな楽しみは、電車の中で邪な妄想を…》

 そして汗の淡い塩味…。
 ワタシにとってはまるで高級レストランで出される、シェフ自慢のオニオンスープのように滋味深い味わいがあるのです。
 脇の下からかわいい肘へ。そして肘の裏側へも愛撫を続け、儚いほどに細い手首から甲へと舌を這わせていきます。
 吊革を掴む手をそっと解き、両手で包み込むようにしながら、ワタシの頬へ当てると、すべすべとした皮膚の感触があり、やや低めの体温がとても心地いいのです。
 小枝のように細い指を1本ずつ丁寧にしゃぶっていきます。そして、細い殻の奥に詰まったカニの肉片をほじくるときのように、じゅるじゅると音をたてながら啜るのです。
 町田を過ぎ、玉川学園を越えたところにある短いトンネルに入ると、赤く頬を染め、上気し、くねくねと身をくねらす姿が窓ガラスに映っているのが見えます。
 …と、そこまで妄想を続けてきてふと現実に戻ると、実際のワタシのモノも激しく勃起しています。
 あわてて網棚からバッグを下ろして股間を覆い、目の前に座る客に気づかれないようにしました。
 指1本でも触れると犯罪者になってしまいます。心の中だけの愉悦の行為が、苦痛の通勤時間を悦楽に変えてくれるのです。
 実はワタシには中学の頃の淫靡で強烈な性の体験があります。その思い出が今も、フェチの性癖として縛り付けているのでしょうか。
 山陰の山あいの町で生まれたワタシは、山や川で遊ぶのが大好きな、真っ黒に日焼けした、勉強嫌いの元気な子供でした。
 しかし、都会の神戸から嫁いできた母親は、心の奥底ではこの田舎のことを毛嫌いしていたようで、ワタシを周りの子と同じようにはしたくなかったのでしょう、いろいろと習い事をやらせたのです。
 しかし当然のことながらどれも続きませんでした。ただ、週1回のピアノを除いては…。
 教えてくださる美智子先生は当時27歳。少し陰のある感じの、とても美しくてやさしい女性でした。
 長い黒髪で色白。背が高くて、スリムで、手足も長く、まるでファッションモデルみたいな感じで、ワタシはこの先生のことが大好きだったのです。
 戦前は小作人を雇って広大な土地を耕していたという裕福な家庭に育ち、音大を卒業したあと楽団に入り活動したのですが、その後の結婚は長く続かず、現在は離婚して実家に戻ってきたのだそうです。 (つづく)

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